PMP(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードとして認知されている資格です。
本記事では、受験に必要な35時間の研修について、プログラムの選び方や、各プログラムのメリット・デメリットを詳しく解説します。
PMPの受験資格について
PMPの受験には、①学歴に応じた実務経験と②35時間の研修受講が必要になります。
これらの要件は、PMI(Project Management Institute)によって定められており、申請時に証明が必要となります。
実務経験
四年制大学卒業者(Set B)の場合、過去8年以内に36ヶ月(3年間)のプロジェクトをリードおよび管理した経験が必要です。
Set B requirements ・Bachelor's degree or higher (or global equivalent) ・36 months/3 years experience leading and managing projects within the past eight years
一方、高校卒業者や専門学校卒業者(Set A)の場合、過去8年以内に60ヶ月(5年間)のプロジェクトをリードおよび管理した経験が必要です。
Set A requirements ・High school or secondary school diploma ・Minimum 60 months/5 years experience leading and managing projects within the past eight years
35時間の研修受講
研修の要件は、CAPM®資格(PMIが提供するエントリーレベルのプロジェクトマネジメント認定資格)の取得や、PMIが認定した試験対策コースを終了することで満たすことができます。
ただし、CAPM®を取得する方が時間もコストもかかることから、大多数がPMI認定コースを選択する傾向にあります。
35 hours of project management education/training. You can also meet this requirement with: ・CAPM® certification or ・PMI Authorized On-Demand PMP Exam Prep or ・Instructor-Led PMP® course
資格取得までの流れ
PMP資格の取得までに、大きく分けて次の4つのステップが必要です。
受験資格の要件を確認し、必要な実務経験を積む
研修の要件を満たすため、認定された研修プログラムを受講する
PMIへの申請を行い、試験に申し込む
試験を受験する
研修の内容
PMP受験に必要な35時間の研修の要件は、プロジェクトマネジメントの基礎知識を体系的に学ぶためのものです。
PMBOKガイド(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)の内容を中心に、プロジェクトの立ち上げから終結までの各プロセスや、スケジュール管理、コスト管理、品質管理などの重要な知識領域をカバーしています。
研修の種類とそれぞれのメリット・デメリットを比較
研修には、大きく分けて①Eラーニングと②オフラインの研修プログラムの2つがあります。
Eラーニング
Udemy等でオンデマンドのコースが公開されています。
コースにもよりますが、価格帯は数万円〜10万円程度で、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
自分のペースで学習可能
時間や場所の制約がない
理解できるまで繰り返し視聴可能
通勤時間や隙間時間を活用できる
費用が比較的リーズナブル
自分の理解度に合わせて進められる
仕事との両立がしやすい
デメリット
自己管理による学習が必要
モチベーション維持が難しい
受講生同士の交流機会が少ない
実務に関する具体的な質問がしにくい
英語のみのコースもある
オフラインの研修プログラム
リアルタイムでの質疑応答や受講生同士のディスカッションを通じてより深く理解できるため、本格的に学習したい方におすすめです。
価格は10-30万円程度が一般的です。
メリット
PMI認定講師からの直接指導が受けられる
リアルタイムでの質疑応答が可能
受講生同士の交流や情報交換ができる
実務経験に基づいた具体例が聞ける
学習ペースが一定に保たれる
その場で疑問点を解消できる
グループディスカッションで理解を深められる
デメリット
決められたスケジュールへの参加が必須
比較的高額
仕事との両立が必要
よくある質問と注意点
研修に有効期限はある?
PMIでは研修の要件について明確な有効期限を定めていません。
ただし、試験内容は定期的に更新されるため、最新のPMBOKガイドに対応した認定教育プログラムを選択することが重要です。
証明書の取得方法は?
研修を修了したことを証明する証明書は、各プログラムの修了時に発行されます。
この証明書には、研修機関名、受講者名、研修内容、受講時間数が明記されており、PMP受験申請時の重要な証拠書類となります。
オンライン研修の場合も同様に電子証明書や修了証が発行され、これらはPMIに提出する申請書類として有効です。
証明書の提出方法は?
研修の証明書は、PMP受験申請時にPMIのオンラインシステムを通じて提出します。
証明書には、PMI認定プログラムであることを示す情報、プログラム名、受講期間、受講時間数、受講者名が明記されている必要があります。
受講開始のベストなタイミングは?
時間的な余裕を確保するために、研修の受講は、PMP試験の受験を決意した時点で開始することをお勧めします。具体的な受講時期は、選択するプログラムの形式や個人の学習計画に応じて検討してください。
研修を試験対策として有効活用しよう!
PMPは研修が「単なる受験の要件」として捉えられがちですが、これは大きな誤解です。
研修では、35時間の学習を通じて、試験で必要とされる基礎知識を体系的に習得できます。これは、後の試験対策における重要な土台となり、ただ闇雲に問題を解くよりもはるかに効率的な学習につながります。
研修を試験対策として有効活用し、最短での合格を目指しましょう!